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2025年04月30日 北坂戸 SC 北坂戸校ブログ

「日本語ネイティブが英語に苦手意識を持つのは当たり前」──その現実的な乗り越え方

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「英語が苦手だな…」

もしあなたがそう感じているとしたら、それはごく自然なことです。

日本の学校で何年も英語を勉強したのに、なぜか話せるようにならない、なぜか苦手意識がある、そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

そして、「きっと、どこかに楽に英語ができるようになる方法があるはずだ!」と、次々と新しい教材やアプリに手を出しては、「やっぱりダメだった…」と落ち込んでしまう。

実は、多くの日本語ネイティブが英語学習でつまずくのには、根本的な理由があります。そして、「少し勉強しただけですぐに成果が出る」という考えが、そのつまずきを大きくしている可能性があるのです。

この記事では、日本語と英語の言語体系の根本的な違いから、なぜ英語学習が難しく感じられるのか、そして多くの人が抱く「楽して成果を出したい」という期待が現実的ではない理由、そして本当に英語を習得するために必要な「覚悟」についてお話しします。

もしあなたが、本気で英語をできるようになりたいと思っているなら、耳の痛い話かもしれません。しかし、この現実を知ることが、遠回りのようでいて、実は一番の近道になるはずです。

なぜ日本語ネイティブは英語が苦手なのか?言語体系の壁

まず、大前提として理解しておくべきことがあります。それは、日本語と英語は、驚くほど言語としての成り立ちや構造が異なるということです。

単語や文法はもちろん、音、リズム、そして物事を捉える思考回路まで、根っこの部分がまるで違います。

例えば、

  • 語順: 日本語の「主語+目的語+動詞」(例:私はりんごを食べます)に対し、英語は「主語+動詞+目的語」(例:I eat an apple)。これは、単に順番が違うだけでなく、情報の処理順序が異なります。
  • 発音: 日本語には存在しない音(LとR、VとBなど)や、日本語とは全く異なるアクセント、イントネーション、リエゾン(音の連結)があります。長年慣れ親しんだ日本語の「音のフィルター」を通して英語を聞くため、聞き取りも難しく感じます。
  • 文法: 冠詞(a, the)の概念、複数形の考え方、複雑な時制、前置詞の使い分けなど、日本語にはない、あるいは考え方が大きく異なる文法要素が山ほどあります。
  • 思考: 主語を省略しがちな日本語に対し、英語は常に主語を明確にする必要があります。これは、物事の捉え方、伝え方の違いに根ざしています。

例えるなら、日本語というOSがインストールされたコンピューターに、全く互換性のない英語というOSを入れようとするようなものです。新しいシステムを動かすためには、脳の中に新しい回路をゼロから作り上げる必要があります。

これは、あなたが怠けているからではありません。日本語ネイティブである限り、誰でも通る道なのです。だからこそ、「苦手だ」と感じるのは、ある意味で自然なことなのです。

「すぐに成果が出る」は幻想?英語学習の甘くない現実

このような根本的な違いがあるにも関わらず、「英語学習=短期間でペラペラになれる」というイメージを持っている方が非常に多いように感じます。

  • 「〇〇メソッドで3ヶ月で話せる!」
  • 「聞き流すだけでOK!」
  • 「スキマ時間だけで英会話マスター!」

このようなキャッチフレーズは魅力的ですが、現実の英語習得は、残念ながらそんなに甘いものではありません。

もちろん、特定の目標(例えば旅行で最低限困らない)であれば短期間での上達も可能ですが、自分の考えを自由に表現したり、ビジネスで不自由なく使ったり、ネイティブと深い議論を交わしたりといったレベルに到達するには、圧倒的に多くの時間と努力が必要です。

なぜ人は「すぐに成果が出る」と思ってしまうのでしょうか?

  • 期待: 楽して手っ取り早く結果を出したいという人間の自然な欲求。
  • 情報過多: WebやSNSには、成功者の華やかな側面や、効果を過大にうたう広告があふれている。
  • 現実の軽視: 言語習得がどれほど奥深く、時間のかかるプロセスであるかという現実を直視したがらない。

しかし、この「すぐに成果が出るはずだ」という期待こそが、多くの人を挫折させている原因の一つです。期待通りのペースで上達しないと、「自分には才能がない」「この方法もダメだ」と諦めてしまうからです。

英語習得に必要なのは「地獄」?いえ、地道な努力と継続です

冒頭で「地獄の苦しみを通してしか、英語はできるようになりません」という強い言葉に触れました。これは少し大げさな表現かもしれませんが、英語習得には**「地道な努力」と、それを「継続する」こと**が不可欠である、という真実を突いています。

英語学習の過程では、必ず壁にぶつかります。

  • 何度覚えようとしても単語が覚えられない。
  • 文法を理解したはずなのに、使いこなせない。
  • リスニングで何を言っているのか全く聞き取れない。
  • 言いたいことが全く口から出てこない。
  • 努力しているのに、全く成長していないように感じる停滞期。

これらは、多くの学習者が経験する「苦しさ」や「うまくいかない時期」です。

しかし、見方を変えれば、これこそがあなたの脳が新しい言語回路を懸命に作ろうとしている証拠であり、成長の途中に必ず訪れる**「必要なプロセス」**なのです。

「地獄の苦しみ」と感じるほどの停滞や困難は、あなたが真剣に取り組んでいる証拠であり、その時期を粘り強く乗り越えた先に、初めて本当の力が身についていきます。

必要なのは、魔法のような特効薬ではありません。

  • 圧倒的な量のインプット(聞く・読む)
  • 圧倒的な量の反復練習(音読・シャドーイング・書いてみる)
  • 実際に使ってみる機会(話す・書く)
  • そして、それらを諦めずに「続ける」精神力

才能やセンスも全く無関係ではありませんが、最も大きな影響を与えるのは、**費やした「時間」と「努力の量」**です。毎日少しずつでも、質の高い努力を積み重ねること。これが、英語習得における唯一にして絶対の王道です。

まとめ:現実を受け入れ、地道な一歩を踏み出そう

日本語ネイティブが英語に苦手意識を持つのは、言語体系が根本的に違う以上、当たり前のことです。そして、「少し勉強しただけですぐに成果が出る」という考えは、残念ながら現実的ではありません。

英語習得には、多くの時間と、壁にぶつかっても諦めない粘り強い**「地道な努力」**が必要です。それは時に「地獄の苦しみ」と感じるほど辛く感じることもあるでしょう。

しかし、その困難な時期は、あなたが成長している証拠であり、誰もが通る道なのです。

「楽して」という幻想を捨て、この現実を受け入れること。そして、劇的な変化を求めず、毎日コツコツと地道な努力を積み重ねる覚悟を持つこと。

これこそが、あなたが本当に英語を習得するための、最も確実な方法です。

すぐに成果が出なくても落ち込む必要はありません。それは当たり前のことなのですから。

大切なのは、今日の努力が、必ず明日のあなたを作るという信念を持って、諦めずに歩み続けること。

さあ、幻想を捨て、現実的な一歩を踏み出しましょう。あなたの努力は、決して裏切りません。ただし、適切な量と期間をかければ、必ず報われるのですから。

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