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この記事を読んでくれている皆さんの中には、東京大学の受験を考えていたり少しでも興味があったりする人がいると思いますが、具体的な入試の流れや受験科目などまだ基本的なことを知らないという人も多いでしょう。
せっかく東京大学を目指すのであれば、今のうちに東大入試に関する基本事項は押さえておきたいですよね!
今回の記事では東大入試のキホンから各科目の特徴まで紹介しているので、東大入試について一から知りたいという人はぜひ最後まで読んでみてください!
ライター情報
R.K
東京大学の文科三類に在籍中です。地方から浪人を経て入学しました。現在、農学部への進学を目指しています。勉強に関する様々な情報をお伝えしていきます!
はじめに、東京大学の入試の概要について確認していきましょう!
東京大学では、1月の中旬に実施される大学入学共通テストと、2月の下旬に実施される各大学の個別試験によって合否が決定します。
ただし共通テストのリスニングの配点が特殊であったり、二次試験前に「足切り」というものが実施されたりするなど、他大学にはあまりない特徴がいくつかあります。また、それに加えて東大では共通テストの点数が大幅に「圧縮」されることでも有名です。
聞きなれない言葉もいくつか出てきましたね。ここから受験の流れに沿って基本情報を深堀りしていきます!
共通テストは受験大学に関わらず、ほとんどすべての受験生が受験します。例にもれず東大を目指す受験生も全員が受験します。
具体的な受験科目は後ほど紹介しているのでそちらを参照してください。
東大をはじめとして多く国公立大学を受験する場合は、5教科7科目を受験し、900点満点となります。
しかし、東大を受験する際にはこの900点がなんと110点分に圧縮されて換算されるのです!
(つまり、共通テストでライバルと100点差が開いたとしても二次試験における10点ほどの差にしかならない……!)
そして東京大学の二次試験は2月の下旬に、東京大学のキャンパスで2日にわたって行われます。
例年、文系は駒場キャンパス、理系は本郷キャンパスで受験します。
二次試験の受験科目等についても後で詳しく解説しています!
二次試験は440点満点で、共通テストの110点と合わせて550点満点となります。
この点数をもとに合格者が選抜されます。
東大を受ける場合の共通テスト受験科目は以下のようになります。
受験科目は一般的な国公立大学と同じですが、東大入試を考えている人は2点注意することがあります。
<理系>
<文系>
注意点①:英語は傾斜配点
1つ目は英語の配点です。リーディングとリスニングはどちらも100点満点のテストで二つ合わせて200点分ありますが、東大ではリーディングとリスニングの点数の比が7:3になるように調整されます。
例えばリーディング90点、リスニング60点の場合、東大では計150点ではなく傾斜によってリーディング126点、リスニング36点の計162点として扱います。
注意点②:900点を110点に圧縮
2点目は、共通テストの点数900点分が110点に圧縮されるということです。
つまり、共通テストでの1点は二次試験において約 0.12 点分にしかなりません。
例えば共通テスト810点の人と720点の人がいるとすれば、二人の圧縮後の点数はそれぞれ97.2点と86.4点になります。圧縮前には90点もあった点差は10.8点にまで縮まります。
東大は二次試験の配分が共通テストに比べて非常に大きいということですね!
実際に東京大学に出願するタイミングは、共通テストが終わってからになります。
出願時には自分の志望する科類を一つだけ選択します。文系なら文科一類、文科二類、文科三類から選択します。
理系の場合は理科一類、理科二類、理科三類の中から選択して出願します。
また、出願時に決めるのは出願科類だけではありません!東京大学の二次試験の外国語は英語だけなく、韓国語や中国語、フランス語などでも受験することが可能なので、どの言語で外国語を受験するかはこのタイミングで選択します。
ただし、英語以外で受験する人は少数派かもしれませんね!
当たり前のことですが、出願期間を過ぎてしまうと東大の二次試験の受験資格が得られなくなってしまうので要注意です!
東大ではありませんがこのような失敗をした人は私の知り合いにもいるので、皆さんも他人事と思ってはいけません!
余裕をもって出願するようにしましょう。
東大入試では共通テストと二次試験の間に倍率調整のための「足切り」が行われます。
これから足切りという制度がどのような仕組みなのかを解説していきます。
また過去に足切り点がどのように推移してきたのかを確認し、そこから何が読み取れるのかも説明します。
足切りを突破し東大を受験した経験を通して、実際足切りについて思うことなども書いているので参考にしてみてください!
東京大学など一部の大学には「足切り」の制度があります。皆さんは足切りという制度を知っていますか?
東京大学では、極端に二次試験の受験者が多くならないように、各科類ごとで二次試験の倍率が 2.5〜 3.5 倍になるように調整します。その際、共通テストで一定の点数に届いていない受験者は、二次試験の実施前の2月中旬ごろの段階で不合格となってしまいます。このシステムを第一段階選抜=足切りと呼びます。
前期で出願できる国公立大学は一つのみなので、足切りのボーダーに届かなかった受験生は、代わりに他の国公立大学に出願することもできません。足切りで不合格になってしまった場合にも「東京大学に出願して不合格になった」という扱いになってしまいます。
東京大学は二次試験の配点が共通テストと比べて非常に高いですが、最低限足切りを突破する必要があるので、共通テストの対策も怠ってはいけません!
過去20年の足切り点の推移を確認してみましょう。年度によって値は様々で具体的な足切り点の予測は難しいことがわかりますね。
センター試験から共通テストへの移行の影響もあり、特に近年はますます読めなくなっています。
東大を受験したい場合は足切りを突破するに十分と思われる点数を目標にしましょう!
確かに先ほど説明した共通テストの圧縮率を踏まえると、仮に共通テストで思い通り得点できなかったとしても足切りさえ突破すれば挽回のチャンスはあります。
しかし足切りの心配が全くない点数を取っているのと足切りされるかもしれない点数を取っているのとでは、共通テスト後から足切り発表までの約1ヶ月間の勉強の質が大きく変わってきてしまいます。
私は現役生のとき共通テストの点数が東大志望者としてはかなり低かったのです。
そのため足切りが発表されるまでは気持ちが落ち着かずあまり勉強に集中できていませんでした。
出願済みなので無意味であるとわかっていつつも、ネットで足切り予想などを頻繁に見てしまい二次試験対策は気もそぞろという状態でした。
一方共通テストで満足のいく結果を出せた浪人生のときは、二次試験までの1ヶ月間足切りに気を取られることなく、集中して勉強に取り組むことができ無事合格しました。
人によっては、この1ヶ月の時間の過ごし方が合否を分ける場合もあると思います。
またマークミスなど何かしらのアクシデントで不本意な結果になった場合を除き、いくら共通テストでの1点が二次試験における約 0.12 点分とはいえ、実際のところ挽回は厳しいかもしれません。
共通テストで何十点も差がある人とはおそらく明確な実力の差があります。
足切りに囚われることなく二次試験に向けて納得のいくまで勉強できるように、ひいては十分な実力で戦えるように、足切りを突破するのに十分な点数を共通テストでは目指しましょう!
東京大学の二次試験の受験科目・配点とスケジュールは以下のようになります。
<理系>
<文系>
これらに加え、先ほど確認した共通テストの点数(900点満点)を110点満点に換算した合計550点満点で入試の合否が決まることとなります。
他の大学の二次試験との大きな違いとして、理系でも国語を受験しなければいけないことや、文系は社会を二科目も受験しなければいけないということがあげられます。
さらに出題範囲が広いだけでなく、どの科目も一筋縄ではいけない問題が出題されるので傾向をつかんだ十分な対策が必要となります。
ここからは、各科目の特徴を一つずつ詳しく解説していきます。対策法も一緒に紹介しているのでぜひ参考にしてください!
国語は東大の二次試験の中で一番初めに受ける科目です。
文系は試験時間が150分で配点は120点。例年は大問1が評論、大問2が古文、大問3が漢文、大問4でエッセーが出題されます。
理系は試験時間100分で配点は80点。大問1が評論、大問2が古文、大問3が漢文となっており、文系と共通の問題が出題されます。
漢字の書き取りや古文単語の意味を答えさせる問題もありますが、その他の問題はすべて記述問題となっています。
詳しい勉強法についてはこちらの記事を参考にしてください!
東大受験の二科目目は数学です。文科も理科も点数差がつきやすく、最も合否を分けやすい教科です。
文科は試験時間が100分で、数学1A、2Bの範囲から4つの問題が出題されます。
理科は試験時間が150分で、数学1A、2B、3の範囲から6つの大問が出題されます。
文科と理科では共通問題が出題されることがあります。
解答はすべて記述式で、論理的な思考力や自分の考えを表現する力、高度な計算力など文理問わず高い数学力が求められる試験です。すべての問題を解くことは困難なので、自分の得点できる大問をうまく選択して、賢く点数を稼ぐことがポイントとなります。
この記事では東大数学の分析や頻出分野をまとめているのでぜひ参考にしてください。
理科は理系のみが解答する科目で、東大受験二日目の最初の科目です。
試験時間は150分ありますが、この中で「物理」「化学」「生物」「地学」の中から2科目を選択して解答します。
各科目60点の配点なので理科全体で120点満点になります。
人によって選択科目が違ううえ、150分の中で2科目を解くことになるので事前に時間配分をしっかり決めておく必要があります。
ただし、東大の問題とは言え基礎問題も出題されるのでこれらの問題を取りこぼしなくとりましょう。
そのうえで思考を要する発展問題を解いて周りの受験生と差をつけたいところです。
こちらの記事も参考にしてみてください!
理系の受験生が理科を受験している150分の間、文科の受験生は社会を受験します。こちらも150分を自由に使って「日本史」「世界史」「地理」の中から2科目を解答します。それぞれ60点の配点なので社会全体で120点満点になります。
東大の社会の問題はどの科目も論述問題がたくさん出題されます。その中でも、問題文に与えられた情報や資料を利用しながら解答を作成するという形式の問題が多数出題されるので、教科書の内容を暗記するだけでは得点することはできません。
東大の問題の傾向をつかんだうえで過去問をといて形式になれるようにしましょう!
詳しい内容についてはこちらの記事を参考にしてください!
東大入試最後の科目は文理共通の外国語です。多くの受験生は英語を受験するので、今回は英語に絞って解説していきます。
試験時間は120分で配点は120点となっており、試験開始後約45分から約30分間リスニング問題が流れるという点が特徴的です。
出題される問題は、要約問題、和文英訳、英文和訳、自由英作文、リスニング、文法、長文問題……と様々な角度から受験生の英語力を試す問題が出題されます。また、とにかく問題量が多く、試験時間内に解き切ることは非常に難しいです。
素早く問題を処理する能力や、試験時間を意識した戦略が必要となる科目となっています。
さらに、最後の長文問題では受験生になじみのないエッセーが出題されることが多いのでその点の対策も必要です!
東大英語についてさらに詳しく知りたい人はこちらの記事を確認してください!
今回の記事では、東大入試の基本情報から各教科の特徴までをまとめて紹介しました。
東大入試では共通テストの配点は二次試験に比べてかなり小さいとはいえ、足切りもあるので侮ることはできません。
また東大受験は他の大学とは異なる点もたくさんあるので、やみくもに勉強するのではなく、受験に関する情報を集めて特徴をつかみ、正しい勉強法で合格に近づきましょう!
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