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みなさん、勉強は順調ですか?東大を目指す文系の方にとって、社会科目の得点は合否を分けるポイントですよね。
世界史は必要とされる知識量が多いだけでなく、二次試験では論述問題で「いかに知識を使いこなせるか」が問われます。結果、「全然点数が伸びない!」といった受験生の悩みがスタディコーチ(studycoach)に届いています。
そこで今回は、現役東大生が多数所属するスタディコーチ(studycoach)が、入試本番で合格点を目指すための「東大式」東大世界史の攻略法を説明します。目標とすべき得点の目安から、時間配分・設問別対策まで、対策法を一挙にまとめて濃縮しているので、じっくり読み込んで二次試験の得点をアップしてください!!
東大世界史について解説する前に、まずは東大入試の概要を確認していきましょう。
二次試験に挑むためには、まず共通テストを受験し、第一段階合格最低点を超えることが必要です。共通テストが実施された2020年度と2021年度の、文科の第一段階合格最低点(通称「足切り点」は以下のようになっています。
足切り点は年度によって変動することが多いので一概に論じることはできませんが、共通テストで700点強得点しておくと安心でしょう。共通テストで問われるような基礎的・標準的な内容は二次試験でも必要になりますし、共通テストでしっかり得点しておくことは、二次試験へに挑む際の安心材料にもなります。そのため、共通テストでは取りこぼしを最小限にしたいところです。
そして、東大受験最大の難関が二次試験です。
二次試験(文科)では、以下のような科目が課されます。
()内はその科目の配点を表しています。
これに共通テストの得点を110点満点に圧縮した得点をプラスし、合計550点満点になっています。通常、合格最低点は330点前後、合格平均点は360点前後です。国語で70点程度、数学で50点程度、外国語で70点程度、社会で80点程度が合格のための得点のめやすとなると思います。
東大受験では、全科目バランスよく得点できることが合格への近道と言われています。
中には「一科目、絶対的に自信があって得点源にできる!」という受験生もいるかもしれませんが、1科目に頼り切ってしまうと、当日少し調子が悪かったり問題が難しかったりするだけで、大きく合格が危ぶまれてしまうことになります。
決して手を抜かず、得点の目標や勉強の時間配分はバランスよく立てるようにするのがオススメです。
筆者の周りにも、社会が苦手なので数学で得点をカバーしようとしていたが、受験時に数学が難化していて思うように得点できず、不合格になってしまった人がいます。このようなことに陥らないよう、極端な苦手科目をつくらず全科目得点できるようになっておくと良いでしょう。
東大受験全体について確認したところで、早速東大世界史について学んでいきましょう!
二次試験において世界史は、あまり差がつかない科目です。全体的に膨大な知識と、それを使いこなすことが求められるため、英語や数学といった科目より点数を飛躍的に伸ばすことは難しいと言えるでしょう。
また、年による難易度のバラつきが比較的小さく、合格者は大体30〜45点得点していると言われています。世界史が得意な人は45点〜50点程度得点してきます。したがって、コスパを考えると他の科目より優先度は低めで、40点前後を目指すのが良いでしょう。
ただし、あまり差がつかないからといって「捨てても良い」科目だというわけではありません。世界史は「知識を蓄えたもの勝ち」の科目でもあるので、ほとんどの受験生は世界史を手堅く得点してきます。
特に数学が苦手で得点が安定しない学生は、いかに社会で点数を固められるかが合否を左右することになります。世界史で大きく他の受験生を引き離すことは難しいかもしれませんが、点数を取りこぼすことのないように勉強していくことが必要です。
東大世界史全体の位置付けや目標点を把握したところで、細かく設問ごとの傾向を分析していきましょう!
大問は全部で3問で、参考史料を与えられた上で、「600字程度の長い論述」「90字〜120字の中程度の論述」「単答」形式を組み合わせて出題されます。
問題の分量自体が多いのに加えて、幅広い範囲全体から出題されるほか、通史・文化史の両方を横断した知識が求められます。いかに時間配分を考えて、知識を総動員しながら手早く問題を処理することが問われていると分析することができるでしょう。
大問の内容は概ね以下の通りです。
東大世界史の特徴は、大問1に600字程度の「大論述」が課されることです。
大論述で高得点を取るには、相当な知識を持ち、それを使いこなすことが必要とされるます。そのため、基本的に対策は後回しで良いでしょう。テーマも年によって大きく異なるほか、採点もブラックボックスなので、まずは大問2・3で確実に得点できることを目指すのがオススメです。
また模試を受けた際に、自分の得点で大問1の割合が多い場合は要注意です!上記のような理由から、点数が安定しない可能性が高いからです。
大問2や3で点数を確実に稼ぎつつ、大問1でいかに部分点を稼ぐことができるかが対策をする上で重要です。大問1を攻略するポイントは以下の3つあります。
先ほど、大論述のテーマは年によって大きく異なると述べましたが、それでも「よく出題されるテーマ」というものは存在します。
たとえば、「大航海時代と銀の関係」「モンゴル帝国と東西交流」など、同じ時代の世界全体の繋がりを巨視的な観点から問う問題がよく出題されます。
過去問の大論述のテーマを眺めてみて、どんなテーマがよく聞かれているか分析してみてください。また、資料集にはこのようなテーマ史を扱ったページもあるので、そこも参考にしてみてくださいね。
大論述の問題文には、実は解答に盛り込むべきポイントを示唆するヒントがたくさん潜んでいます。
大論述の問題文は、「時代背景を説明するリード文+論述で書くべきテーマを示す指示文」で構成されています。時間がないとリード文は読み飛ばしてしまいがちですが、実はここに書かれている内容に解答のヒントが隠されている場合が多いです。リード文で「具体的な用語などは載っていないけれど書かれている内容」は、出題者が「ここは解答に盛り込んで欲しい!」と思っている可能性が高いので、指示文や指定語句からだけではなく、リード文からも解答に盛り込む要素を考えてみてください。
時間が限られている入試では、すぐに回答を書き始めたくなりますが、大論述ではそれはご法度です。
盛り込むべき要素をしっかりと盛り込み、ストーリー立てて説明しなければいけない大論述では、解答を書き始める前に論述の構成を考えるようにしましょう。そうすることで、支離滅裂な解答にならないよう予防することができ、内容の盛り込み忘れも防ぐことができます。
大問2では、60文字〜120文字程度の論述問題が6問前後出題されます。
大問2で出題される論述は、文字数がそれほど多くなく、知識を問う問題が大半です。そのため、ここでは標準的な内容をいかに正確に覚え、文章にできるかが焦点となります。知識のインプットだけでなく、いかに覚えたことを正しく、伝わりやすい文章にアウトプットするかに気をつけて勉強するようにしましょう。
大問1では満点回答が作りづらく、部分点を狙いやすいですが、大問2では知っているか知らないかで得点が大きく変わります。そのため、二次試験で最も点差がつきやすい部分と言えるでしょう。
知識をしっかりインプットした上で、大問2を攻略するコツは、以下の2つがあります。
先述の通り、標準的な内容を正確に覚えることが重要なのはもちろん、それを解答に起こす際に漏れがないようにすることが重要です。
大論述の部分で紹介したように、解答を書き始める前に必要事項を箇条書きにしてメモしておくなど、覚えた内容を正確に採点者に伝えられるようにしましょう。
大問2の特徴は、字数制限が厳しいことです。問題によっては60文字程度で解答しなければならないものもあるので、できるだけ言いたいことを簡潔に表現する必要があります。普段から文章を書く際には、自分の言い回しが冗長になっていないか確認し、特訓するようにしましょう。
大問3は、教科書に載っているような標準的な用語が、一問一答形式で出題されます。ごくたまにここで20文字程度の短い論述が出題されることもあります。問題数はおおよそ10問です。
東大入試の中では比較的容易な問題ですが、簡単だからといって侮ってはいけません。難易度が低いということは、少し取りこぼすだけでも他の受験生に差をつけられてしまうということです。
大問3は、合格者だと満点の人がほとんど、取りこぼしても1問程度です。模試で2問以上間違えていた場合、そもそもの知識が不足していることが考えられるので、その場合は力を入れて勉強する必要があると言えるでしょう。
人名や宗教名、国の名前はもちろん、都市名や地名なども頻繁に出題されるので資料集も用いた勉強が不可欠です。また、文化史に関しても出題されることがあります。文化史は対策が手薄になりがちですが、一問一答を使って暗記するなど、手を抜くことなく対策しておきましょう。
全体の傾向・設問別分析まで理解したところで、二次試験の攻略法をご説明していきます。
すべて今日から実践できる内容になっているので、ぜひご自身の勉強計画に組み込んで合格を目指してください!
これまで、確認してきたように、東大入試は論述問題が多く出題されます。
実は知識自体は教科書レベルなのですが、論述で出来事・人物の関係性や流れを問われます。そのため、ただ教科書の知識をそのまま覚えるだけでは太刀打ちができません。特に大論述では、あるテーマにしたがって時代横断的な内容や、地域横断的な内容が問われることがほとんどです。ただ用語を覚えるだけでは、合格点に到達することは不可能と言って良いでしょう。
そこで重要なのは、歴史の流れと関係性を押さえることです。
具体的には、記事「【東大式】世界史の勉強法!安定して高得点を取るには?」 でも紹介している3ステップのやり方がオススメです。
要約すると、
ことを意識しましょう。
歴史系科目は暗記するべき事項が膨大なので、そのまま丸暗記しようとしても頭がパンクしてしまう人がほとんどです。
そこで、それぞれの時代の大きな流れを頭に入れた後に、細かい事項をその軸に結びつけながら知識をインプットしておくことをお勧めします。こうしておくと、特定のテーマに沿って解答を求められることが多い二次試験にも対応できる知識が身につきます。
そして、何よりも大事なのが、各地域の通史だけではなく、その知識を「横に結びつける」ことです。
同じ時代に他の地域ではどのようなことが起こっていたのか、それが歴史にどのような影響を及ぼしたのか、ある宗教や文化がどのように伝播していったのか、などを必ず把握するようにしましょう。こうすることで、大論述にも対応可能な幅広い知識を身につけることができます。
具体的な流れの押さえ方や暗記に使うツールについては、上記の記事を読んで確認しておきましょう!
東大式①で論述に必要な要素は押さえましたね。
次に重要なのが、この知識や流れといった要素を文章に落とし込む国語力(文章力)です。国語力と言われると、センス次第だったり、なかなか鍛えられないイメージがある方もいらっしゃると思います。
そこでオススメなのが、「フレーズごと暗記する」ことです。
例えば、初期の暗記に効果的な「一問一答」形式の問題に出てくる問題文は短く、歯切れが良い表現になっていることが多いです。答え合わせの時に一緒に覚えていきましょう。また、教科書で使われているフレーズは、世界史の専門家がしっかり練り上げて作っているものなので、二次試験の解答にもそのまま使うことができます。教科書の重要語句の説明にマーカーを引くなど、教科書の説明も頭に入れておくと良いでしょう。
過去問の問題文で使われるフレーズも、演習を繰り返す中で意識して取り込んでいきましょう。問題を作成する側が用いている表現を取り込むことで、かなり論述の収まりも良く、点数もつけられやすくなることが期待されます。
なお、オススメ参考書についてはこちらの記事に詳しくまとめています。自分にピッタリな1冊を一緒に選んでいきましょう。
東大式①②で論述対策ができましたが、それを本番で発揮できなければ意味がないですよね。
本番で十分に実力を発揮するために重要なのが、解く順番です。
筆者がおすすめする順番は以下の通りです。
東大世界史に挑む上で最も重要なのが、大論述にできるだけ時間を残すことです。大論述は問題文を読み解く、構成を考える、問題用紙に記入する、という一連の回答作業で35分は見込んでおいた方が良いでしょう。このように、大論述は工程が多く、多くの時間が割かれてしまいます。没頭しすぎて他の問題に手をつけられなかった!ということがないように、比較的手をつけやすい大問3と2を先にといてしまいましょう。
大論述に対して、世界史の問題の中で最も取り組みやすいのが、大問3の単答問題です。ここはほとんど一問一答になっているので、10分程度で手早く片付けてしまいましょう。
知識系科目にありがちなのが、「本番で知らない知識が出てきたり、問われたりして焦ってしまう」ケースです。どんなに勉強しても知識系科目では覚えきれない・忘れてしまうことがありますから、「頑張ってきた自分が知らないのだから、他の受験生も得点できないので問題なし!」と割り切って考えましょう!
また二次試験の特徴は、社会2科目が合計150分間で実施されるということです。2科目の時間配分は受験生が自由に決めることができます。選択科目や、科目の難易度によっては時間配分を少し偏らせる(75分・75分ではなく、60分・80分にするなど)ことも必要になってくるかと思いますので、受験時には最初に両方の科目の問題を流し見て、どのような時間配分にするか決めると良いでしょう。
今回は東大世界史の分析と、現役生が教える【東大式】最新攻略法をお伝えしてきました。
今回ご紹介した内容をまとめると、
ことが重要でした。
東大の世界史は記述問題が多く理解力が問われる分、世界史を楽しんで勉強した人が報われやすい科目だと思います。構えすぎず、「東大式」で、二次試験の世界史で着実に合格点をとっていきましょう!
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基本的な世界史の勉強法を理解したところで、次は具体的に誰もが避けて通れない共通テスト対策に移りましょう。
東大二次試験の他科目については、以下の記事を参考にしましょう!全科目を踏まえて得点配分を見据えることが合格するためには必須です。
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K・T
東大教養学部3年。英語・国語・世界史・日本史など、いわゆる「文系科目」全般が得意でした。世界史は1つの物語でもあると思っています。みなさんに楽しんで学んでもらえると嬉しいです!